鍵屋珈琲
「行き届いている。」
このお店を一言で表すとすれば、私はそう表現すると思う。
理由は、以下順々に述べていくことにします。
まず、立地。
正確な住所がわかっていたので、それをカーナビに入力し付近にまで辿り着く。
が、
問題はそこからだった。土岐市郊外の長閑(のどか)な田園地帯(=文字通り家々と田畑:デンバタと発音した方がニュアンスが近い)が混在した、時間がゆる〜〜く過ぎていく、そんな感じのところに立地している。
対向車がきたらもう、タイヘンである(そんなときはお互い紳士的な方が多く、ガツガツしていないので「譲り合いの精神」です)。
何回もrerouteしながら、自分の目と勘を信じて何とか到着。
→入り口(玄関)にかかる表札代わりの看板。
→駐車場からみると、「ふつうの民家」です。
週末の昼過ぎだったのだが、駐車場は8割方埋まっている(県外ナンバーもちらほら。かくいう私も、松本ナンバー)。
→室内から駐車場をみる
でも「わざわざこんなわかりづらいところに、どうして立地しているのだろう?」との疑問を抱きつつ、入店。
カウンター席5、テーブル2人掛け1,4人掛け2、隠れ部屋的テーブル席(靴を脱いで上がる小上がり席)1というレイアウトだった。
私はカウンター席へ。
そこに座るとが目に入ってくる。
「そうか、このためかぁ!!」と合点した。
マスターに「写真撮ってもいいですか?」と伺い、席を離れあちこちを撮影。
「この景色(↓)を切り取って、室内からみるための空間にしたかった。」ということを1点目の「行き届いている点」に挙げたい。
→ごく普通の里山と田畑の自然の風景。
このため、ふつうはカウンターの正面には器を飾ってあったりすることが多いのだが、器の棚は左右に追いやられ(!?)中央には、縦約1.5m*横約4mほどの一枚ガラスがキャンバスとして風景を描いています。
左右に追いやられた感の器も、WEDGWOOD。
→どのカップで淹れてもらっても美味しそう!
これらは白を基調としたブルーフルーテッド系のカップで統一されていて、「私の珈琲にはこれが合う」といったマスターの意志を感じるのでした。これが2点目の「行き届いている」点。
メニューを見るとチーズケーキがあったので、コーヒーと一緒に注文。
マスターの奥様が、ドアの向こう(見えない)側で作っておられるようで・・・・(「取り皿にケーキサーバーで切り分けてもってくるだけじゃないの?」と思っていたら)。
暫くして提供されたのが、これ(↓)。
→美味しそう(いや、美味しかったです)。
「はぁ、なるほどねえ。」
器と融合してひとつのartとして提供しようという気持ちを感じたのでした。これが3点目の「行き届いている」点。
→カップと並べてみると、こんな感じ。右端におまけ付き(これも美味)。
こんな調子なので、トイレに行ってみることにしました(カメラを持って行くのを忘れました。よって、文字のみにて)。
和風建築のchicな佇まいの洗面所は「かくあるべき」という見本のようです。
うれしいのは生けてある花が、そのへんの「野の花」の一輪挿しである点。冬季はどうなるのかわからないけれど、「季節」を感じるます。これが4点目の「行き届いている」点。
マスターとのやりとりで、私が聞かれたこと。
「うちの店を何でお知りになりましたか?」
私「インターネットで、たまたま・・・・・。」と答えると
マスター「あの○○さんのホームページかな? いろいろと出版社やマスコミが取材にくるんだけれど、お断りしているんですよ。」
これが「行き届いている」点の5点目となる。
私「どうしてですか?」と伺うと、
マスター「あれって結局、広告なんですよね。記事にするからといって、広告料を取るんですから。」
私「そういう話、他でも聞いたことあります。読んだ人は広告と記事の区別なんか気にして読んだりしないし、『本に載っているから行ってみようか』程度でしか、ないですもんね。」
マスター「最初は無料で、なんて言ってくるところもあるんですよ。」
ということで、ここは紙媒体には(たぶん)載っていないと思う。
(ネットでは勝手に載せられてしまうこともあると思うので、何ともいえないが、かくいう私も、こんなふうに載せちゃったし・・・・・。2010年9月現在でもあの食べログにも正式には載っていない。livedoorにはあるようだ)。
こういうお店こそ大切にしたいところですね。
以下、公式されているデータを載せておきます。
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基礎データ
店名:鍵屋珈琲
場所:岐阜県土岐市肥田町肥田字西之原1994
電話番号:0572−54−5955
営業時間:9:00〜17:00
定休日:月曜日