Tournez La Page
(turn the page 「ページをめくる」という名前のお店−−これでは味も素っ気もないのですが、フランス語では「新しい一日」とかいう意味があるそうな・・・・)
2005年5月オープンの「禁煙」JAZZ喫茶。
(喫煙者はどうするのか?
入口の「外」に喫煙者用の椅子が置かれていて、そこで吸うことになる。が、私が伺ったときにはそこには誰もいなかった)。
ここは再開発が進行中の浜松駅北口の一角にある。
表にはjazzの文字が・・・・・、なかったような気がする!?
この重厚なお店は、“jazz喫茶の三拍子”が全くそろっていない(そこがすばらしい)。
これまでのjazz喫茶のイメージ⇒Tournez La Page
@ (店内が)暗い⇒明るく、開放的な広がりを持つ
A (珈琲が)不味い⇒そこそこうまい+ポットサービス+お菓子付き
B (オヤジ=マスターが)こわい⇒オーナーは(20代と思われる)女性!?
というように、この条件をことごとく打ち破っているこのお店、約5000枚のレコードの中から常時40枚ほどディスプレーしており、そこからリクエストも可能となっている(レコードリスト未完→そろそと完成している頃でしょうか?)。
ビルの1〜2階を吹き抜けで使用していることもあり、天井が高い(プラス床がリスニングルーム側は半地下ふうとなっているため、より広く感じる)。
特筆すべきはスピーカー・システム。
ドイツのアバンギャルドの最上位システム(trio+basehone)が壁面に鎮座している。
吉祥寺の“MEG”にもアバンギャルドが設置されていて、足を運んだことがあるが、その空間は“宇宙戦艦ヤマト”の波動砲に撃たれたような音響空間であった。
そこではアバンギャルドが咆哮しているのだ。
かつてエレクトロ・ボイスのジョージアンが置かれていた位置とは反対側にあるアバンギャルドは、その造形も名前の通りであり、プラス音場もこれまで味わったことのない濃密な音がほとばしり出ている空間であった。
で、ここTournez La Pageである。
ジャズ喫茶のイメージはさらさらない。
明るく、オープン感覚で、広い空間に余裕のレイアウト。
どう考えてみても「坪単価でいくら」の収益を考えていない。
こんな好立地で、アルコールで夜の儲けを考えているわけでもなく、まずもって不思議な空間なのだ。
アバンギャルドの本体プラス設置料だけで、へたすりゃアイフルホームが2棟建のである。
それをドライブするアンプはAccuphase C-2800+A-60、
音の入り口はプレーヤーはデジタルがESOTERIC X-01、アナログがAVID + DENON DL103
となっており、一杯1000円以下のコーヒーだけではとうてい・・・・・・・・。
謎は深まるばかりである。
“MEG”とはちがって、おとなしく音を奏でていた(リスニングルーム側はスピーカー・システムに向かって椅子が向いており、それでいて“音の粒”を浴びるという感じではない(エージングがまだ完了していないからかもしれないが、これくらいの心身ともに休まるレベルが好ましいと思う)。
吹き抜けの2階部分の壁は150インチスクリーンとなっていて、無声映画が映し出されていた(私の時はKeatonものであった)。
著作権の関係を考慮してか、パブリック・ドメイン・ソフトウェアで50年以上前のものならばOK!
コーヒーはポットサービスで出てくるし、ポットにはちゃんとコージー(冷めないためのカバー)がついているしお菓子付きだし、「音」だけではなく「飲」へも気配りがなされている点にも好感が持てた。
残念なのがメニューに載っていたどら焼きが売り切れであったこと。
ここも近くにあれば足繁く通いたいお店のjひとつとなったのでした。
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基礎データ
営業時間 12:00〜21:00
定休日 火曜日・第2第4月曜日(祝日は不定休)
Tel 053-455-7100
静岡県浜松市板屋町東第一区26街区20
オーナー 矢野裕理さん