高崎の名店、主音求(スイング)が閉店して何年だろうか?
元あった場所(これがわかりづらい住宅街の奥)へ行ってみても、そこは別のお店(でも、お店の一部にはかつての壁画=シュローダーの背中とウッドストックが見てとれます。ピアノの上にいたスヌーピーはもういません。かすかに鼻の部分が見える程度)になっており、イタリアン(!?)のような食事処となっていました(お隣は雑貨店?)。
入口のアップ(↓このガラスドアとその周りは主音求のまま)。
とあるルートより、主音求は高崎郊外に引っ越したとの情報を入手してから、ようやくそっちへ伺うことができました。
店の名前、主音求(スイング)U(セカンド)だそうです。
場所は榛名山の南東斜面、榛東村。
お店は高崎市内をはじめ、関東平野が一望できる眺望抜群の立地。
→この日は少し霞んでます。
こちらのご主人にお話を伺うことができました。
高崎市にあった主音求(スイング)のマスター、加藤昇さんは60歳代で癌のため鬼籍に入られたそう。
現在その場所は、娘さんがお店をやっているとのこと(上の画像です)。
(どうりで、前の主音求の面影を残しているわけです、ね。)
加藤さんの主音求で使用していた、マイクロのレコードプレイヤー+アキュフェーズのアンプC240+M100+JBLオリンパス(スピーカー)とレコード・CDを譲り受け、この地で遺志を継いで主音求U(セカンド)として、2012年4月にオープン。
「主音求のマスターとは、40年来のつきあいでねぇ〜。」
と仰る。
確か主音求がオープンしたのが1974年ですから、その当時からということになります。
「マスター、多趣味でしたよねぇ。コーヒーの焙煎もしていたときがあるように記憶していますけど・・・。」と私。
「そうそう、オーディオに、レコーディング、カメラにコーヒー焙煎と、あっ、もちろんジャズライブも定期的にやってましたね。」
「ここはね、ライブ主体のお店にしたんです。あっ、これ1ヶ月間のスケジュール表だから、よかったら持っていってください。」
「はい、ありがとうございます。」
「夜は外の景色をみながらジャズライブをしているんですけど、特に霞がかかっていないクリアな冬の夜景はすばらしいですよ。」
「そうでしょうねぇ、いいですね。ここは何時まで営業されているんですか?」
「夜10時まで、この前のライブの時は11時過ぎてもやってましたけどねぇ〜。」
私が長野県から来ましたというと、
「この前のライブ、ベーシストの人は、確か戸倉から来たって言ってたかな。」
「宣伝とかはしていないんですか?」
「う〜〜ん、ウチは口コミだけなんだよね。ライブのスケジュールとかは、ホームページで告知しているけどね。」
「そうですか、あのぉ〜写真撮っていいですか?」
「どうぞ、構いませんよ。」
ということで、外観・店内等、パチパチしてきました(↓)。
→懐かしゅうございます。
七宝焼(?)の「主音求」、そのままなんですね。ただ、そこに“U”がプラスされています。
籐製の椅子やテーブルも、そのままです。あ〜、懐かしゅうございます。
いま、後継者がいない高齢の個人経営(小売り・サービス業)のお店は、日本各地で「ぎょうさん」発生しています。
特に地方でかつては一等地であった場所なのに、後継者がおらずシャッターを下ろしたままのところ。
住んでいるけど改築するわけでもなく、更地化することもせず、「そのままの状態」で放置プレイ。
これ、税金対策なんですよね。
家族が受け継ぐのではなく、「志」ある人に繋げていけるような仕組みって、できないのかなあ? 補助金漬けで期間が切れたら、「はい、閉店」なんちゅう愚策はしないで、さ。補助金で「ハコ」をつくったものの(=それで利得を得るヒトたちは、それだけで満足)、数年後は無残な姿を晒しているところ、あちこちにありますよ、ね。
−−−−−−−−−−−−−
基礎データ
店名:主音求(スイング)U(セカンド)
場所:北群馬郡榛東村広馬場4194-6
電話番号:0279−55−0022
営業時間:12:00〜22:00 O.S.21:30
定休日:火曜日
公式ホームページ:http://www.open-door.jp/?p=16181