「オリジナル盤を持っている。」
ただそれだけで価値がある。
そんなディープな世界がレコードの世界にはある。
何回でも再発することは原盤があれば可能なわけであるが、オリジナル盤にはジャケットデザインがたとえ一緒であったとしても、そんなものとは「一緒にしてほしくない」というオーラがでている(らしい)。
確かに、ビニールコーティングされたハードなジャケットデザインや重量盤ともいうべき、レコード盤の重厚さからは、ぴらぴらのOJCの再発盤とは「ぜ〜んぜん別物!」的な感覚は誰にでもわかる。
この点、書籍における「初版本」とはちょっと違うかもしれない。
(たぶん、初版本と他との違いって、奥付に[○年○月○日初版]と書いてあるかないかの差であって、突然、重版を重ねたら装丁が変わってしまうとか、そんなことはない。)
2008年の今となっては、発売当時に入手できなかったオリジナル盤を手に入れようと思うと、その供給量(たくさんプレスされて、市場に出回っていたか否か)と欲している人(需要)との圧倒的な 需要>供給 バランスの悪さから、所謂「幻の名盤」が何枚も存在することになる。
すると市場原理によって1枚10万円・20万円・30万円・・・・・・・以上の値が付くものも当然のように存在し、コレクターという人々の手に渡っていく。
そんな世界にあってここ、“Studio 4”はオリジナル盤のみを収集したレコード在庫を誇る喫茶店である(時間帯によってはアルコールもOK)。
ビルの3階。ちゃんと「オリジナル盤」の説明が書いてありますね。
念のため、レコード販売店ではない。
壁にはマニア垂涎のジャケットが飾られており、「お〜〜〜〜後光がさしている〜〜〜。」と(人によっては)思うアルバムもある。
→思わず「拝んでしまった」
「オリジナル盤が製作された時代の再生装置を用いること」
それがここのこだわりである。
いわれてみれば、さもありなん。
当時の音を「今」の再生装置で聞くことも可能なのだが、あえて当時の雰囲気というか空気感、音場のリアリティを感じるには、この選択もありだろう。
再生装置は、以下の通り。
PowerAmp: McIntosh 225
PreAmp: McIntosh C-20
Sperker: JBL C-34 Harkness Original
Turntables:Garrard 301 Thorens 124
Tonearms:Ortofon RMG212i SME3012R special SME3009
Cartridges: Ortofon SPU-G SHURE V15 Type V Stanton
芯のある暖かな音、決してダイナミックレンジは広くないけれど、ごりごりっと伝わってくるあの感触、そんな印象−−−−−−−−−−−−−−−−−で鑑賞できる。
(因みに私は、ドナルド・バード、“live in Paris vol.1”(ポリドール)をかけていただきました。
食事もできてアルコールもOKというスペースとして、無くなってほしくないお店の1つです。
基礎データ
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住所:静岡県静岡市葵区呉服町2−7−10 鋳物会館3F
→これが入口ドア
JR静岡駅北口より呉服町商店街を北に徒歩5分、スクランブル交差点を横断、右折してすぐを左折、静岡銀行呉服町支店西側向いのビル。
Tel:054−252−3100
営業時間:11:30〜24:00
休み:不定期
公式ホームページ:http://www4.tokai.or.jp/studio4/index.html