M-gate



県職を定年退職された池原和雄さん。

趣味で集めたジャズレコード(CDではなく)を聴くことができる喫茶店(≒ジャズ喫茶ですよね)を北安曇郡松川村にオープンさせました(2010年8月)

池原さんは世代的に見ると団塊の世代の最後のほうです。


青春時代が60年代のジャズ喫茶全盛期とかぶっているはずです。


団塊世代の退職期は「2007年問題」と称されていましたが、なんせ人口ピラミッドのボリュームゾーンなので、動く(退職)金も大きい


だからでしょうか?


ここのところ観光地やその周辺に「蕎麦屋」の新規オープンが目に付きませんか?

「サライ」の影響とまではいいませんが、蕎麦については一言居士のおじさんたちが、退職金を手にして、家族を説得し、第二の人生を「蕎麦屋」で始める。

そこでは自分の信じる蕎麦だけを出す。


そーゆー、「いかにも・・・・・」というお店、あなたの周りにもありませんか?



閑話休題。


“M-gate”は長野県松川村役場南隣・すずの音ホール(松川村は鈴虫が有名)のさらにすぐ南、道路の東側にあります。

看板もひっそりとしか出していないので、ちゃんと見て前を通らないと、一般の民家のような外観なので、ここが喫茶だなんてわかりません。

看板(というか、店を表す目印)は、これのみ(↓赤○のところ)。


 →この南隣に駐車場あり。


あえてこのようにしている確信犯ですね。

駐車場にクルマを止め、入口へ。

ドアを開けると正面にはカウント・ベイシーの写真。


 →左側に中へ入るドアがあります。


店内へのドアを開けて、中へ(了解を得て撮影しました)

右手にカウンター4席、正面にスピーカー、中央にテーブル席、右手窓側にもテーブル席、というレイアウト。


 →正面。


 →カウンター席。


天井は吹き抜けになっていて、フライファンがあります。


 →業務用のエアコンではなさそうですが、大丈夫なのかな、信州だし?


梁も立派な木を用いていて、けっこう「かかっています」

窓際席からは北アルプスを仰ぎ見ることができます。

が、

電柱や電線がなければ、もっといい「絵」になるのに・・・・・・・・、と悔やまれます。


 →この電柱さえなければ・・・・・・・・・・。


 →別の窓から(やっぱり電線が・・・・)。


しかし、正面に鎮座する【JBL DD66000】をパス・ラボラトリーズのXかXAシリーズでドライブするという超弩級の音が、目と耳を正面に引きつけます。


 →垂涎の・・・・・・・・・・。


音の入口もLPレコードのみ。

プレーヤーは私も見たことのないターンテーブルが回っています。





これはいったい・・・・・・・(知らないや)

パス・ラボラトリーズのアンプの上には、キャノンボール・アダレイ・セクステットのアルバムが額に入れて飾ってありました。

メニューはシンプルに珈琲・紅茶・ジュースとシフォンケーキが中心。

驚くべきは、「シフォンケーキ、150円なり!」

「えっ、えっ、・・・。」

いくら手作りだとはいえ・・・・・相場を無視しています)

コーヒー(500円)と、このシフォンケーキを注文して、しばしレコード鑑賞。


明らかにBGMとして流している音量ではありません。


かつて存在した「『会話厳禁』で『音を聞け!』的なジャズ喫茶」を意識したレベルで音楽が流れています。


でもさすがに『会話禁止』ではないし、むしろ「店内禁煙」で、店内も明るく文庫本も読める!


これは21世紀のジャズ喫茶としての存在を模索したかたちとでもいえるのではないでしょうか?


そんなこと・こんなことを考えていたら、コーヒーとシフォンケーキがテーブルへ。

「うわぁ、ここもMeissen!」





で、シフォンケーキ。


 →お皿はノリタケ(これは、私も持ってます)。


これで150円

まいりました。

レコード演奏家(by 菅野沖彦)としてのマスターが選曲するアルバムを鑑賞するためだけに、ここまで足を運ぶ価値があるというお店ということでいいと思います。


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基礎データ

店名:M-gate

場所:長野県北安曇郡松川村85−28

営業時間:10:00−20:00

定休日:火曜・水曜

電話番号:0261−62−2384

時折ライブもある模様