11月一日・一場面集


11月1日
僕は小さい頃、父が車を運転していて道を譲ってくれた対向車に手をあげているのを見て、「父ちゃん、知っている人がいっぱいいるなあ」と感心していた。
11月2日
いとこの山下さんちの犬小屋に大きく「犬」と書いてあるので「誰が見たって犬じゃねえか!」とつっこみを入れたら、その犬の名前が「ケン」だったらしい。
11月3日
うちの猫が妊娠したとき、相手のところのおっさんが「養育費」だといって封筒に千円を入れて持ってきた。
11月4日
先日ヤンキーがバイクで転倒してうめいていると、十秒もしないうちに救急車が来てビックリしていたら、素通りしていった。
11月5日
先日西上田駅で「ただいま女の子が三人陸橋を渡ってそちらに向かっていますので、発車をもう少し待って下さい」とアナウンスがあったので待っていたら、暫くしておばさん三人がぜえぜえ言いながら乗り込んできた。一瞬にして、乗客の目が「ムッ」となった。
11月6日
僕は結婚直後、酔っぱらった親戚の叔父に「何で女をもらわなかったんだ?」とすごいパンチをくらわされたことがある。
11月7日
この間、お巡りさん二人が自転車で必死になって走っていたので、僕は「こりゃ事件だ」と思って追いかけていったら、先に交番に着いた方が「見てみろ、オレの勝ちだ」と誇らしげだった
11月8日
この前、町内の綱引き大会の時、号令と同時に綱を踏んでいたお姉さんがはじき飛ばされた。
11月9日
先日上田駅前でヤンキーが自転車に二人乗りをしていてミニパトの婦人警官に「そこのふたり、降りなさい」と警告を受けていたが、ヤンキーが「結婚してくれたら降りるぞ」といったら婦人警官は「イヤです」と答えた
11月10日
入院中に、隣のベッドの人へ看護婦さんが採血に来たが、血管が出なくて困っていた。その人が「こっちならでるぞ」と言って左手を出すと一面入れ墨がはいっていて、病室の一同が息をのんだ。すると看護婦さんは「これ消毒で拭いても消えないわよね」と言ったので病室中爆笑になった。
11月11日
知らないおじさんについていくのは困るが、知らないおじさんがついてくるのはもっと困る。
11月12日
二人連れの女の子をナンパしようとした場合、先に断ってくるのはたいていブスのほうである。
11月13日
僕はバルセロナオリンピックが始まるまで「戦いの火蓋を切る」というのを、「戦いの日、豚を切る」という何か神聖な宗教的儀式だと思っていた。
11月14日
ダスキンの上田支店は「ダスキン上田」、小諸支店は「ダスキン小諸」・・・、ダスキンの多摩支店は・・・・。
11月15日
僕はついこの間まで「和姦」というのは日本人がエッチすることであって、外人がエッチするのは「洋姦」というのだと思っていた。
11月16日
この間の朝、目が覚めると何と僕の隣に人の腕があって、おそるおそる誰だろうと思ってみると、寝ている間に痺れて完全に麻痺した僕の左腕だった。
11月17日
『美味しんぼ』の栗田ゆう子は、単行本一巻につき約二十四着、現在五十巻まで出て推定1200着も違う服を着ている。
11月18日
何か痛い目にあうと「目から火が出た」と言うが、急所を打ったとき「亀から火をふく」とは言わない
11月19日
青春ドラマで「太陽に向かって走ろう」と言っても、だいたい海岸に沿って走っている。
11月20日
人工的に造られた川を運河というが、人工的に造られた湖を「運湖」とは言わない。
11月21日
僕は、腰が九十度に曲がったおばあさんは、寝るときに足が垂直に天井を向いているものだと思っていた。
11月22日
この前、子供電話相談室で「のっぺらぼうは口がないのに、なぜしゃべるんですか?」という鋭い質問があった。
11月23日
上半身が人、下半身が魚の場合は「人魚」と言うロマンチックな称号を与えられるが、上半身が魚、下半身が人だと「半魚人」という汚名を与えられる。
11月24日
先日書店に『衛星放送のすべて3』という本が出ていた。おそらく前々作の『衛星放送のすべて』には衛星放送のすべてが書かれていなかったんだろう。
11月25日
よくエッチな本は子供たちには早いとオバハン教師の間では問題になるが、あなた達では遅すぎます。11月26日
よくテレビドラマで、病気とか事故で意識不明の重体のとき「今夜が峠です」というが、あの「峠」は、朝とか昼には絶対こない。
11月27日
この間、雨の日に自転車で走っていると、向こうから小学生が「ピッチピッチ、ギャルギャル、スッポンポン」と歌いながらやってきた。
11月28日
先日の真夜中、眠れないので「羊を数えよう」と思って「羊が一匹、羊が二匹・・・」と数えていると、いつの間にか「七月二十八、七月二十九・・」とバカのように唱えていた自分に気づいた。
11月29日
バス停で降り損なった婆さんが運転手に必死になって停めて欲しいと頼んでいたところ、運転手も仕方ないなと思ったらしく、「お婆ちゃん、このへんでいいの?」と言ってスピードを落としたら「ハイ」と言ったが、婆さんは「そんでな、そこを右に曲がって下さい」と言って怒られていた。
11月30日
子供の頃からミミズを見るとおしっこをかけているが、大きさは全然変わっていない。