Sonus faber MINIMA AMATOR

約2500円/100g というスピーカー さて、一本おいくら???? 

イタリアのソナスファベールから、ミニマ・アマトールと名付けられた新作が誕生。言うまでもなく、同社デビュー作でイタリア製スピーカーの魅力を知らしめたエレクタ・アマトールと、その後もっと小型化されて誕生したミニマとの中間を狙ったものだ。それにしても、分かりやすいかもしれないが、ずいぶんイージーな名を付けたものだとも思った。しかし実物を見て、その音を聴いてみると、このモデルにはミニマ・アマトール以外のネーミングはないと納得させられる。写真でもアマトールのマイナーチェンジと思いそうなほどで、わずかに小さいかもしれないがアマトールそっくり。寄せ木細工の丹念なつくりを見せるエンクロージュアも、ふっくらと頬の膨らんだそのキュートなスタイルもアマトールそのものだ。

ただしユニット構成はどちらかと言えばミニマ的イメージ。ウーファーは従来2機種で使用されたデンマーク・ダイナオーディオ製からノルウェーのシアーズ社製新設計ユニットとなり、ロ径は2機種のちょうど中間の14cm。トゥィーターは前2機種と同じダイナオーディオ製ソフトドームだが、これも本機のための新設計。この両ユニットが、アマトールのような特徴的な近接配置ではなく、ミニマと何じ標準的マウントで、ネットをはずして見ると、ミニマの顔になるといった感じだ。さらに絶妙なのは、音色が見事に前2機種の中間をキープし、しかも再生の魅力としてはミニマは当然として、アマトールさえも凌駕しそうな出来映えを感じさせること。傾向としては少し控え目で落ち着きのあるアマトールより、やや闊達な方向のミニマ寄り。その闊達さをアマトールのあの色つやと優れた音像感に、巧みにプラスした印象だ。ミニマよりもアマトールよりも、プログラムソースの幅を広げたのも、このモデルの大きな魅力といえる。

 

形式:2ウェイ・バスレフ型

使用ユニット:ウーファ14cmコーン型、ツィーター2.8cmドーム型

クロスオーバー周波数:2.5kHz

インピーダンス:4オーム

出力音圧レベル:88dB/W/m

寸法:W200*H340*D300mm

 

季刊「ステレオ・サウンド」NO.107p364より