Mcintoshの“MC”から始まる製品群は、パワーアンプの型番である。

伝説化したMC-275にしても復刻モデルが限定発売されたが、売れ行きは良好であったらしい。

因みにMC-275の“2”はステレオ(*2)、“75”は出力数=75Wを意味していた。“MC-275”は名機として有名な製品であるが、今では何とか「大人買い」できるところまでになった(yahooのオークションにけっこう出ている)。

しかし、まだ入手していない(タイミングがあるのだ)。

それどころか、衝動買いで“MC-2300”を購入してしまった。

 程度良好。ワンオーナー品。

“MC-275”は真空管であったが、この“MC-2300”から続く“MC-2500”“MC-2600”はトランジスタを使用し、その馬鹿でかい筐体は見るものに威圧感を与えるような、そんなモデルであった。

「いったいこれをどこに置くんだ!」
と言った方が正しい。

当時のコンポーネントに対するイメージからは大きくかけ離れていたことは確かである。
学生時代に見たその第一印象は、
「何でパワーアンプだけの機能なのに、こんなにでかいんだ!」
ということだった。

裏側を見るとファンの通気孔が2カ所もあって、それは冷却用のなのだという。



シャーシ内部にファンが2つついていて、それがアンプを冷却するシステムである。
A級アンプでもないのになぜそんな大仰なものが必要なのかわからなかったのだが、たぶん当時、300Wを確保するためのマッキントッシュ独自の回路だったのだろう(因みに“MC-2300”の“2”はステレオ(*2)、“300”は出力数(300W)を意味している。

マッキントッシュ回路のすごさは、それが16Ω→8Ω→4Ω→2Ω→1Ω→0.5Ωとどんなスピーカーの抵抗数でも同じ出力が確保されるところにあって、このためにそれ専用のトランスを用意している(だからトランスが3つ、よって重い)。

 トップパネルには回路図の概要がプリントされている。

フロントグリルはマッキントッシュ伝統のガラスイルミネーションパネルは用いておらず、個人的には評価の分かれるところである。
しかしメーターは伝統のカラーリング(マッキントッシュ・ブルー)となっていて、踏襲した跡が伺える。

 このメーターの回路は特許を取っているらしい。

これはダイナミック・ピーク・ロッキング・メーターといい、
1.メーター指針の応答速度を電気的に加速する。
2.読み取りを楽にするために、ピーク時を千分の数秒間保持する働き−−があるという。

しかし、改めて見てもやはりでかい。
因みにサイズは48.26cm(W)*26.67cm(H)*43.18cm(D)
重量は58.06kg(今の自分の体重とほぼ同じである)。

今年(2007年)、マッキントッシュ・ジャパンが創設されこれまでの、エレクトリ社の代理店制度から直販体制となった。

しかし、この“MC-2300”の時代は、代理店が2社あった。
ひとつは秋葉原のヤマギワ
もうひとつは大阪日本橋の川口無線である。
今回の“MC-2300”は川口無線の取り扱いのものであった(けっこうめずらしい??)。



なぜそれがわかるかというと、中古品にしては珍しく、取扱説明書が本物(英文)と代理店発行のものがついていたのである。



その注意事項
1.電源スイッチを入れたままで、入力、出力のコードを抜き差ししないでください。スピーカーを破損するおそれがあります。
2.最大出力時1400Wの電力を要しますので、他のオーディオ機器(プリアンプ等)のACコンセントから電源をとることは避けてください。その機器を破損するおそれがあります
3.電源コードを延長する場合、14A以上の容量を持つコードを使用してください。通常のACコードは使えません
4.重量が58kg有りますので、移動するときは十分注意してください。また、何かの上に載せる場合にはそれがこの重量に耐えるか確認した上で載せてください。
5.設置は両側面から5cm以上、後面から13cm以上のスペースを設け、換気口をふさがないでください。

案の定、化け物である。

聞いてみての印象は、それまで使用していたSANSUI B-2201Lに替えてこれを繋いだわけであるが、

1.中音域の密度が増した(感じがする)。濃厚な印象。
2.低温域がよりしまった(感じがする)。
3.音像全体が前にせり出してくる(感じがする)。
4.弦につやがある(感じがする)。

などと無責任な事を書きつらねてしまったが、以前のB-2201Llも十分魅力的なかつ駆動力のある実力機だったわけで、その気持ちに今も変わりはない(だから手放すつもりもない→だから現在はサブ機ソナースファベール ミニマ・アマトール用に使用中である)。

ということで学生時代の憧れだった人(機種)に、突然ばったりと会って、その美しさに変わりはなく、お話しをしたら(試聴したら)、再びかつての思いがこみ上げてきて、告白(購入)してしまった、そんな感じなのである(今回はオークションではなく店頭試聴・購入。いやしかし、重い。またぎっくり腰になりそ)。