ンハイザーHD414

型番だけでこれがどんなヘッドフォンであったのかわかる人は、だいたいの年齢+20年前頃の興味・関心がどんなことに向いていたのか、ある程度予想が立つ。
なぜなら、この商品が日本に紹介され、広まっていった頃に遭遇している人たちは、一定層存在していたからである
(かくいう私も、そんなうちのひとり)。

オープンエアタイプのヘッドフォンの嚆矢であり、発売は1967(1968)年。

このシルエットに見覚えのある人は、きっと多いはず!?

当時、ヘッドフォンといえば密閉型が当たり前の時代で、長時間装着していると【圧迫感+ムレムレ感+耳骨が痛い】と三重苦だった。

そんな状況の中で登場したHD414は軽くフィットして、圧迫感が無く、当然ムレムレしないし、痛くもならないという、三重苦からユーザーを解放した一時代を築いた製品だったのである。

 あの頃は“MADE IN WEST GERMANY.”だった。

(そういえば、私、MADE IN WEST GERMANY.”のネクタイを2本持ってます−今となっては「珍品?」)。

それが2001年、五百台限定で復刻発売された。

 フリッツ・ゼンハイザー博士 (Dr. Fritz Sennheiser) のサインらしい。

当時の日本の代理店はゼネラル通商(株)だった。
しかし、現在はゼンハイザー・ジャパン(株)が設立されたこともあり、取り扱いはどうやらこちらになっているらしい。

そんな販売側のことはどうでもよくって、HD414である。
お茶の水のオーディオ・●ニオンのアクセサリー(の中古品)コーナーにあったので、あまりの懐かしさのために「即買い」をした。

このシルエット。

 よく言うと「シンプル」

たまらなく「ちゃちぃ」し、イヤーパッドもめちゃくちゃ安っぽい。

でも地味な色遣いが多いヘッドフォンにあって、この配色が新鮮だったことは確かで、かのYMOがステージでのモニタリング用に着用していたり、クラシックの村治佳織が使用していたりと、雑誌に掲載されたスナップ写真から、一見すればもうそれだけでHD414だとわかる強烈な印象を持った製品であった。

 「標準プラグ」のサイズ

イヤーパッドは黄色以外にも白や青があったように記憶しているが、現在は黄色のみが交換用に提供されている(らしい)。

でも思えば、今から40年以上前の製品でもパーツを供給しているってことは凄いことだと思う。

 これ1セットで1050円也。

 さすが、“SENNHEISER”

●ONYの商品には●ONYタイマーがついていて、故障したと思ったらもう部品がないとかいう話は、ごろごろとある。
そのリミットをタイマーとして組み込んで発売しているのが有名な●ONYタイマーである。
だから、新しく買い換えをしなくちゃならない。
聞きますよね、この話。

今回のHD414に現在のレベルでの音質を求めることは不可能であるし、しちゃならんでしょう。

比較することもあまり意味がない(?)。

Vintage Audioというジャンルが存在していることもあり、もはやHD414はその領域の製品だと思う。

イメージとしてはこんな「ちゃちな」ものがVintageであるというのは?????だと思われても、「一時代を画した製品+ロングラン製品+ベストセラー商品」という要件からも、個人的にはやはりVintage Audioに入れたい逸品である。