CD-M2
今はなきマイクロ精機はレコードプレーヤー専業メーカーだった(専業メーカーという文字に弱い私。「餅は餅屋」という言葉にも弱い)。
それ故、コンパクトディスクの爆発的な普及の荒波を乗り切ることができず、消え去っていったメーカーということになっている。
確かに入門機から、オーディオファイル用まで多彩なラインナップを誇っていたことは評価されるのだが・・・・・。
(そういえば私、DD-1を持っていました。超入門機で、ベルトドライブがお得意のマイクロ精機(他にもマニア心をくすぐる“糸ドライブ”というのもあった)にあっては、傍流のダイレクトドライブだった。でもあれは、今どこへ?)
実はマイクロ精機、CDプレーヤーを作っていた時期が暫くの間であるが、あった。
それが国内販売されたCD-M2(とあと2〜3機種)。
ピント甘いですね。
国内販売初のCDプレーヤーなのに“M2”って・・・・!?
どうやらCD-M1は海外市場向けに製作・輸出されたらしく、それ故M2という機種名で国内販売が開始されたそうな。
実はこのCD-M2は心臓部はほとんどがOEMで、マランツ=Philipsが製作したものだった。
これを見れば、即納得。
フロントボタン配列がそのまんま!
データベース的価値のある「オーディオ回顧録」より。
基本的に私はCD開発のオリジネーターであるマランツ=Philipsを信奉していることもあって、就職した頃、生活に支障をきたさない予算の範囲で購入したCDプレーヤーがこのマランツのCD-94だった。
(本当はPhilipsのLHH-1000が欲しかったが、高嶺の花−とんでもなく高価だった。)
セットでD/Aコンバータも売り出されていて、デザイン的にも統一感があったのだが、CD-94単体だけでもアンプ接続が可能と聞かされて、当時の私の1ヶ月の実質手取り額を上回る金額であったが、(ちょっと勇気を出して)入手した。
それ以降、何度かの引っ越しにも一緒に連れてきている。
一度、今から6〜7年前に1回修理に出しただけで、現在も現役である(準現役になりつつある)。
その時の修理完了証のメモには、
「長い間お使いいただきありがとうございます。しかし残念ながらパーツ等の保管・修理そのものへの対応がもうそろそろ限界を迎えようとしておりますので、大切にお使いください。」といった趣旨のメッセージが記されていた。
その文面には「技術者の良心とメーカーとしての保守の限界がコストや採算性の面でせめぎ合いをしている」ことを感じさせた。
大切にしますね、CD-94。
で、CD-M2である。
マイクロ精工がマランツ=Philipsより勝っているところは、防振対策技術である。
レコードプレーヤーの技術の中で蓄積してきた防振対策をこのCD-M2でも可能な限り施した仕上がりとなっている(これって、ただ重いだけ???)。
よって、重量は22kgもある。当時の標準的な普及機の約3倍、ベースとなっているCD-94の約2倍の重さは「いったい、中に何を入れたんだ!!」とつっこみを入れたくなるくらいである。
あとは、外観(見た目)。
左右のウッドパネル付きが高級機の走りだったこの当時、大胆にも左右のみならず、底部にも採用し、重厚さを出すことに成功している。
(そのため、CD-94にあったシーリングパネル内の操作ボタンが一切ない)
唯一の欠点は・・・・。
Power switchである。フロント左下部分にあるゴールドのパネル部分(MICROの文字有り)がPower switchとなっていて、ふつうに押すと、指紋がついてしまい使い続けるとMICROの文字が摩耗して消えてしまうのですね(そんな中古品をいくつか見てきました)。
←ただの金プレートだと思ったら、ここがPower switch
私はここを押すときには、ハンカチで優しくタッチしているのでした。
音質は?
CD-94との違いは?
印象でしかないのですが、こちらの方が「引き締まった感じがする」「キンキンではない明るさがある」とでも申しましょうか?
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基礎データ
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